未来を予測するには、人口動態を見るのが最も適切だとされています。つまり、今の人口ピラミッドがどうなっていて、10年後はこうなる、だから世の中はこのように変化する、という具合です。

日本は世界でも類を見ない高齢化国家で、これからますます高齢化していきます。つまり、誰も経験のしたことのない人口ピラミッドになっていくわけです。この「超高齢化国家、日本」を理解するには、3つの大きなポイントとなる年を知っておく必要があります。

2004年、世界一老いた国に

2004年、日本はイタリアを抜き、世界で最も年老いた国になりました。それは1984年以降男女ともに平均寿命が世界一になったこと、そしてそれ以降の出生率が長期的に下降し続けたことが要因です。また、先進国の中では珍しく移民の受け入れをしてこなかったことも原因の一つだといわれています。

一方でヨーロッパの多くの国では、過去10~30年の間に高齢化は停滞しました。それは、「2つの世界大戦による人口構造の変化」と「多くの移民を受け入れた」ことによります。しかし、受け入れてきた移民も高齢化し、2005年ごろからヨーロッパでも再び高齢化が始まり、問題視されています。しかし、日本の一位の座は揺るぎようもなく、もはや独走態勢といえるでしょう。

現在の発展途上国も発展とともに高齢化することは避けられず、現在すさまじい勢いで成長しているアジアの国々は、日本より高速で高齢化しています。東アジアは、21世紀後半には日本に追いつき、追い越す国が出るとされているのです。しかし、今後数十年においては、日本は高齢化社会としての課題先進国であり続けるでしょう。

2004年は同時に、日本が総人口の減少が始まった年でもあります。これから100年かけて、1億2千万人いた人口は、3分の1である約4000万人になっていくと予測されています。日本の社会は人口が増えることに社会が作られており、その根底にある思想はまだ変化できていません。発想の転換が急務なのは言うまでもありません。

東アジアの国々も2030年ごろから人口が減り始めるとみられていますが、ヨーロッパではドイツ、イタリア以外のほとんどの国で少なくとも21世紀前半には人口が減少するとはみられていません。

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2030年と2060年、6割を超える圧倒的な高齢者率

日本の50歳以上の人口の絶対数は2029年にピークを迎え、そこから減少していくと予測されています。65歳以上の人口は2030年ごろに一旦ピークを迎えて横ばいになり、2042年ごろからは減少していくと予測されています。

絶対数で見ると、2030年ごろ、日本は歴史は始まって以来最大の高齢者を抱えることになります。

高齢者率は毎年上昇し続け、50歳以上の人口は2060年前後にピークを迎え、なんと人口の60%以上を占めることになります。経済予測は毎年外れるものの、人口構造は大きな変化(戦争など)がない限りブレることが少なく、おそらくこれに近い数字になることでしょう。今この記事を読んでらっしゃる方の大半も、2060年には50歳を超えているのではないでしょうか。他人事ではありません。

人口の半数近くが65歳以上、およそ30%が75歳以上という世界、まさに「想像すらできない」状態です。

山積する課題…年金どころの騒ぎではない

今の20代、30代では「年金を支払った額より少ない額しかもらえない」という不安や、さらには「年金自体もらえないかもしれない」という不安が渦巻いています。いや、渦巻いているどころか、「もらえないのが当然」と割り切っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、事態はより深刻です。2060年には、人口の半数が65歳以上。この社会において起こるであろう問題はほかにも多数あるからです。

激増する独居老人

たとえば、すでに晩婚化が叫ばれ、未婚率は上昇し続けています。2005年に生涯未婚率が男性7%、女性4%であったものが、わずか10数年後の2030年には男性30%、女性22%になると予測されているのです。現在でも問題視されている独居老人の数ははるかに膨れ上がり、それをケアする人手が足りないのは明らかです。いくら介護保険の改定を行っても、ロボティクスなどでかなりの自動化、効率化を大胆に推し進めない限りはケアしきれないでしょう。

すたれる地方

人口が減少する割合を年のサイズで見てみると、大都市や地方都市よりも、「郡部」と呼ばれる人口5万人未満の都市部が圧倒的に高くなっています。2030年の人口は、郡部では2010年と比較して25%前後減少するとみられています。一方で都市部は75歳以上の人口は倍増するとみられており、大都市の高齢化は極めて深刻化していきます。

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いかがでしょうか?これから30年後、50年後の日本を生きる読者の皆様は、高齢化に対してどのように生きていこうと考えますか?住む場所、収入減、親や子供の世話…考えることは山ほどあります。

桑原 誠二
Author

コメディカル、介護職員に特化した人材エージェント勤務。元はケアマネージャーとして介護施設で6年の経験あり。医療、介護人材が、転職によってよい人生を歩めるようにするために日々奮闘中。