高齢化は、日本だけでなく世界中、それも東南アジアなども含めたまさに今発展目覚ましい国々でも進んでおり、問題視されています。オーストラリア政府が発表している2050年の高齢化状況などの資料を基に、オーストラリアの高齢化状況について学んでいきましょう。

人口は増えている…が高齢化率はもっと…

実はオーストラリアの人口は、今も増え続けています。しかし、増加率は鈍化しており、高齢化率の上昇が今までより早く進むと見られています。オーストラリア政府もまさに、日本と同じく「人口増加を前提にした経済政策を改めるべきだ」という危機感を持っているのです。

オーストラリアの高齢化率(65歳以上人口の割合)は、下記のように推移していきます。australia01

2050年と1990年を比較すると実に高齢者率が倍増する見立てです。一方で、これに日本の高齢化率の推移を加えてみましょう。

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なんと、1900年代後半、オーストラリアと日本の高齢化率はほぼ同じ程度でした。しかし2000年代から日本の高齢化率は急上昇し、2050年には1990年と比較しておよそ3.5倍もの高齢化率に達します。

就業者人口との比率

高齢化率が高まると問題になるのが社会福祉費の肥大です。大きくなった社会福祉費用を賄うためには、それだけの若い人、つまり就業者が必要になります。高齢者に対して就業者の比率が減っていくことを、その見え方から、「胴上げ型」「騎馬戦型」「肩車型」と呼んでいます(下記図参照)。

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オーストラリアではどのようになっているのでしょうか。下図は、オーストラリアにおける、老人一人当たりの労働人口です。

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2010年には老人1人に対し、就業者が5人と、胴上げ型~騎馬戦型の中間くらいといえるでしょう。

それではこのグラフに、日本の状況を加えてみましょう。

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日本は、2050年には高齢者1人に対して就業者1.2人と、ほぼ完全な肩車型になります。健康保険制度や年金制度がそのころどうなるかは分かりませんが、個人が負担する税金は今より大きくなっていることでしょう。

独居老人率の高いオーストラリア

核家族化が進んだと言われる日本ですが、それでもオーストラリアよりも、二世代、三世代で生活する人の割合は多いようです。下記は、日本オーストラリアそれぞれの高齢者の家族形態です。日本のほうが一人暮らしをしている高齢者はだいぶ少ないことがわかります。

australia03日本とオーストラリアはともに高齢化率が進んでいますが、そのスピードや、内訳はやはり異なるようです。現在は高齢化率に関して世界トップを歩む日本。課題先進国として、この問題にどう向き合っていくのか、世界の注目が集まっています。

武田卓夫
Author

中国在住の元看護師。介護、医療系の記事執筆を生業にするライター。20代のときは看護師として病院に7年間勤務。セカンドキャリアとして、看護師の道ではなく、中国のIT企業に勤務する道を選ぶ。妻と息子との三人暮らし。