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営業マンとしてスキルアップ、キャリアアップを狙うときに検討する、医療系営業職。その中でもMRと医療機器営業を検討する人が多いようです。今回は、医療機器営業の転職についての情報を徹底してまとめてみました。

医療機器営業の年収・給与は?

こちらの、医療機器営業の年収調査にもあるように、医療機器営業の年収は、上位20%に入る高収入です。特に女性の年収は平均と比較して高いことがわかっています。転職前と比較してどうなるかは企業単位、個人単位で異なるため一概には言えませんが、大体業界未経験者がスタートする場合、ベースサラリー500万円が一つの基準になります。競合の即戦力経験者ですと800万や1000万以上のスタートのケースもあります。

インセンティブ(歩合給)は概ね外資系メーカーが採用している傾向が強く、幅は数十万~300万以上プラスで稼いでいる方もいます。ただ、昨今の医療費増大と診療報酬の切り下げ傾向から以前のような大盤振る舞いの歩合給は今はほぼ聞かなくなりました。国内系の企業はインセンティブがそもそもない、もしくはあっても非常に少ないケースが多いです。

未経験でも可能?

医療機器のメーカーにおける営業採用では、残念ながら営業経験は必須です。ただ医療業界専門の営業アウトソーシングの企業では販売店も応募資格として認めている企業が数社ありますので、そこからステップアップをすることができます。
営業経験は医療系でなくても問題ありません。また、今まで正社員として営業を経験しておらず、契約社員としての経験しかなくても、医療機器営業の世界に飛び込むチャンスは十分にあります。

どんな資格を持っていると有利?

営業ですので医療機器で特別優位な資格は今のところありませんが、やはり臨床検査技師、看護師、放射線技師などの国家資格や一部循環器のCDRというペースメーカー認定資格などはあれば尚良いと思います。ただ営業ですのでやはり高い営業成績が最も有利です。

女性の働きやすさについて

以前は男社会が強い業界でしたが昨今では外資を中心にダイバシティ―化が広く取り入れられてきており、優秀な女性セールスもかなり増えてきています。また、女性の給料が他業界と比較して高い傾向にあることは前に述べた通りです。

成果を出していくと、マネジャーに昇格が期待できます。これはほとんど性差がないと思われます。また、スペシャリストのように、役職付きでも部下無しのマネジャー待遇もあります。英語が得意であればマーケティングへの可能性もありますし、薬学や生物学のバックグラウンドを有していれば臨床開発、安全性、市販後調査などへキャリアを広げていける可能性もあります。

医療機器営業の「仕事のやりがい」

患者様のQOLを向上させるために日本の医療現場を支える責任感ではないでしょうか?他の物販のように売り捨ては絶対できませんし、製品の多くは患者様の体内に触れ、埋め込まれるものですので安易な言動や軽率な行動はできません。厳格なコンプライアンスという制約の中でいかに自社の製品を提供できるか?といった自制心とチャレンジ精神をはぐくみ両立させることで人間的な成長も期待できる営業職だと思います。

内資系(国内系)、外資系について

内資系と外資系を比較した時、まず第一の違いとして「外資系のほうが給料が高そう(という印象)」という点が挙げられます。しかし、ベースの給与は実はほとんど変わりません。国内系は長くいるほど給与が上がる傾向にあり、外資系は成績が上がればインセンティブによって給与が上がることがあります。また、外資系だと「成績が悪いとすぐに首を切られる」という印象をお持ちの方も多いようですが、そんなことはありません。すぐに首を切られるというと、よほどの問題行動を起こした場合のみだと言えます。

外資系企業の実情は…

やればやっただけの見返りがある、というのは事実です。バリアブルボーナス、インセンティブの幅は、一時よりは狭くなったものの、国内系企業と比べるとやはり広く、実力次第で給与をどんどん上げていきたい、という野心を持った方は向いていると言えます。当然ですがノルマ・目標に対してボーナスが設定されており、よい良い意味で緊張感が高く、押し並べて優秀なセールスマンが多いのが特徴です。もちろん成果への期待値は高く、コミットは要求されますので、日々の行動への自由度は高い一方でプレッシャーも高い企業が多いです。

※外資系企業は英語力必須?※

営業に関しては英語力は基本全く必要とされません。業務で英語が必要なシーンは「無い」と言って差し支えないでしょう。しかし、英語ができればプロダクトマネジメントへのチャンスが増えます。

内資系(国内系)企業の実情は…

会社や部全体で数値達成していこうという方針、意向が強いです。数値責任は外資よりソフトな傾向にあるので、じっくり腰を据えて働ける環境が多いと言えます。また社内格差が表に出にくいため、社内の軋轢は低い傾向にあります。
他方で評価が曖昧な傾向があるため、正当な評価を求めて転職をする方がいます。古参の派閥などで本来の営業業務とは異なる社内営業の方に目が向いている方も見受けるなど、この辺りは外資内資の一般的なイメージ通りと言えるかもしれません。長く働きやすい環境のため、上司との相性が悪い場合苦労をするケースもあります。

転職先の会社はどう選んだらいい?

なかなか、どんな会社を選んだらよいのか難しい医療機器営業の世界。マーケットの今後の展望は、全体ではおそらく微増か横ばいと言われています。現在3兆円弱の市場規模ですが、2年に一度厚労省により決定される診療報酬と併せ公定価格が引き下げられている市場も見受けられます。成長ニーズは未だ症例数の少ない比較的新しい手技の分野で、逆に症例規模が大きく、市場の飽和に並行して公定価格も下がる分野があるため利益を確保するのが厳しい市場もあります。

大手企業はどんなところがある?

外資系の大手がジョンソンエンドジョンソン、バクスター、日本メドトロニック、ジンマー、アボット、ボストンサイエンティフィックジャパン、日本ストライカー、GEヘルスケア、シーメンス、コビディエンなどが挙げられます。国内系企業では、オリンパスメディカル、テルモ、コニカミノルタ、日機装、日本光電、富士フィルムメディカル、ニプロ等がメジャーです。
大型機械のジャンルではメジャーモダリティメーカーと呼ばれる会社が強く、外資系ではGEヘルスケア、シーメンス、フィリップスの3社。国内では東芝メディカル、日立アロカ、島津製作所が非常に強いとされています。

どんな分野の会社を選ぶべき?

先端医療、ニッチな治療分野などは償還価格のあおりを受けにくいので、市場予測をもとに将来性を考えればそういった分野で経験を積むのが有効だと思います。この分野は今後長期的に有望だ、ということができるでしょう。

専門性、「手に職」を身に着けたいのであれば、ドクターへ医学的な根拠をもとに情報提供する高額商材の分野や手術場に立ち会うスタイルの営業ができる環境が良いと思います。このスタイルでは、ドクターに対して専門分野で第一人者であるという信頼が必要となります。単なる情報提供屋ではなく、本当に現場で使える医療知識を求められることになるでしょう。※ただし、現在は手術場に立ち会うことは独禁法の問題で制限付の原則禁止になっています。

また医療機器の中でも放射線科や手術室などの大型の機械を扱う営業は、外車や産業機械など高額単価商材を扱っていた方が馴染みやすいと言われています。国公立病院などの場合、20万以上単価が超えた商材は翌年の予算に申請する形となりますので消耗品の様な瞬間風速的なフットワーク営業よりも、徐々に外堀を固めて競合を排除する戦略的な動きと粘り強さを兼ね備えたタイプの方が向いていると思います。このスタイルの営業は高単価ですが数多く納品できませんので営業としての成果が如実に表れるという面もあります。

また自身の性格傾向から環境を決める場合には、成長意欲が強く、一匹狼的なタイプの人は成果主義傾向の強いインセンティブ重視型の環境が向いているといえますし、逆に調和を大事に考える価値観が強い人は全体達成で評価されるフラットな給与水準の組織が向いていると思います。これは何も医療業界に限ったことではないですが・・・。

メーカーが良い?商社が良い?

またメーカーか商社かを選択する場合、個人的にはまずメーカーでのチャレンジをお勧めしています。理由としてはやはりメーカーの方が資本力もありますしその分給料水準の差にも少なからずあらわれています。また、これは製薬MRと同じですがメーカーセールスは基本的に専門情報を提供し、販売店は納品といった違いが日々の業務に出てきます。ただ、ローカルの代理店営業の方の中にはメーカーと同じ動きができるスペシャリストのような方も見受けます。

医療機器営業の働きやすさ

やはり働きやすさは誰もが気になるところ。医療機器営業の世界の離職率は5~10%と言われており、他業種と比較して特に高いとは言えません。残業ばかりで家に帰れないのではないか?飛び込み営業などで精神が消耗してしまうのでは?営業ノルマは?などなど解説します。

残業について

急性期分野など緊急性を要する製品を扱う場合、病院がありきのビジネスなので、時間が読めないところがあります。ただ、個々の責任の下でスケジュールを立てて、担当する病院を訪問していく仕事ですので、基本的にはセルフマネジメントが上手な人は時間を作れます。逆に下手な人はいつも時間に追われてている、という印象です。
また病院や所属企業の決算期周りに繁忙となることもあれば、日中釣り三昧でもしっかり成果を残しているトップ営業の方もいます(笑)

訪問先の病院の規模

医療機器営業職の場合、訪問先は基幹病院や大学病院などテリトリー内での主要施設がメインになります。町中のクリニックや中小病院に行く機会は少ないでしょう。定期的に代理店(例:ムトウ、八神製作所、栗原医療、竹山など)を訪問して勉強会を開催したり情報交換や打ち合わせをすることもあります。
主要な病院をメーカーが担当し、回れないところは代理店にサポートをしてもらうという協業関係を構築し、代理店では対応できない専門性が高いニーズはメーカー営業が行います。

友人のMRがつらそう…早朝や深夜の営業は当たり前?

MRは訪問規制がかかっており、何時から何時はドクターを訪問してはいけないという決まりがあります。そのため、どうしても営業活動が夜討ち朝駆けになりやすいのです。一方で、医療機器営業にはそのような決まりがありません。
ドクターを医局や詰所などの前で待機し、診察時間の隙間を縫って各社がドクターへアプローチをかけるため、MRの営業は医療機器営業よりもアポイントがそもそも難しくなっていると思います。一部の抗がん剤、希少疾病、特定の症例に必要な新薬MRであればアポイントはとり易いと思いますが輸液、栄養剤、プライマリーケアの製剤などの情報提供に関しては今後MRのニーズは端末化していくとも囁かれています。

休日出勤は多い?少ない?

春や秋など学会シーズンなのですがその時は土日を跨いで開催されることも多いですし持ち回りで出席する場合は休日出勤となります。仕事を持ち帰ることは個々の企業で提出書類や社内報告書も異なりますので一概には言えませんが、代理店営業のように業務時間後に伝票処理や受発注に追われることは少ないと思います。また緊急症例の製品担当であれば深夜早朝の対応などもあり得ますが、慢性疾患対象や一般的な消耗品営業ではあまり聞いたことがありません。

飛び込み営業はありますか?

保険償還価格が付く製品は概ね代理店を介して営業していますので基本的にありません。例えば、零細の備品メーカーで代理店構築ができておらず病院マーケットに参入できていない企業の営業は有るかもしれません。

営業ノルマはつらい?

会社によりけりです。償還価格が下がっているのに目標設定を変えない組織は概ねノルマが厳しいと思いますし、仮に設定が高くても努力目標の様な組織もあれば、成果主義評価のもと、個人の給料に直結するため良い緊張感をキープしている企業もあります。全体としては外資系のほうがプレッシャーが強い傾向にあります。

医療機器営業に転職したい…エージェントに相談すべき?

最近では、転職の際にエージェントにサポートを依頼することは非常に一般的になりました。医療機器営業の世界においてはエージェントの活用はどうとらえればいいのでしょうか?

エージェントにサポートしてもらうメリット

エージェントについてもらうことで、なぜ転職をしたいのか?をコンサルタントの目を通して客観視することでキャリアビジョンの整理がつけることができます。多くの方が仕事をしながら転職活動をすると思います。働きながら膨大な求人情報を収集し、精査するのは容易ではないので、そこを手伝ってもらいながら判断できます。また、業界の特徴、企業単位、事業部単位で求人特徴を理解した上で、自身の素養や希望と詳細をマッチングできるのも非常に大きなメリットです。

どこの会社に行きたいのか、どんな条件が良いのかを決めた後もエージェントは活躍してくれます。面接の勝率をUPさせるロジックをサポートしてもらい、的を射た面接カウンターが身につきます。面接先の会社がどのような事情でどんな人材を求めているのかも把握しているため、とても心強いと言えます。条件の交渉も代理を立てることでスムースにできます。なかなか自分一人で年収の交渉はしにくいものです。

一方で、経験の浅いコンサルタントが担当になっても現状の人材会社ではコンサルタント変更依頼がしにくいと言えます。「この人頼りないな…」と思ったら、気兼ねせずに変更を申し出ましょう。担当するコンサルタント次第であなたの転職が、大きく言えばその後の人生が、とても異なったものになるのですから。

エージェントはどう選んだらよい?

特定の業界へのこだわりがない方は、リクナビ、マイナビ、Dodaなど大手人材会社への登録をお勧めします。大手人材会社は業界に偏らずまんべんなく求人情報を提供してくれます。求人担当と求職者担当のように社内分業を採り入れている企業が大半です。

特定の職業や業界を予めターゲティングできている方は専門性の高い特化型エージェントへの登録をお進めします。専門エージェントの特徴は規模が小さいところが多いですがその業界に精通している企業も多いため、また社内分業を取らず、求職者に一人のコンサルタントがマンツーマンで最後まで担当することできめ細やかなサポートが期待できます。

エージェントを見るポイントについては、まず厚生労働省の許認可を受けているかどうか?です。正式な認可を受けた職業紹介の場合は必ずホームページに登録番号を記載しています。小さいエージェントの場合、特に注意してみましょう。

企業のコンセプトが曖昧ではないか?何を得意としているのか?が分からないエージェントはあまり頼れないケースが多いのでウェブサイトなどでもチェックしておくべきです。他方大手の看板会社であっても新卒1年目に紹介コンサルタントをさせている企業もたくさんあるので、出来れば直接面談で話をして担当のコンサルタントがどの程度転職そのものや求人会社、仕事を理解しているのか?をチェックしましょう。エージェント選びには時間をかけても、良いエージェントと出会えればその後の転職活動全般が非常にスムーズにいきます。成功確率も大きく上がるでしょう。

また求職者様にも言える事ですがルーズではないか?約束を守るか?相手に配慮があるか?こういった基本的な姿勢も対人スキルをチェックするポイントだと思います。仮にも転職エージェントは人生の大事なキャリアを創るための転職活動のパートナーですから、目先の求人だけではなく担当コンサルタントが長期で付き合える人物なのか?という視点も持つと良いと思います。

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